糀

古い?新しい?…世界に誇る国菌☆

このレシピに使われた野菜たち"

麹菌(こうじきん)が支える日本の食
~発酵調味料~

糀

 近年、ユネスコの無形文化遺産に指定された「和食」。和食に欠かせない味噌・しょう油・酒などの発酵調味料に使われているのが「麹菌(こうじきん)」(アスペルギルス オリゼ)です。

鮭塩糀漬け 日本最古といわれる、平安時代末期の播磨国風土記にも「麹菌を使って酒を造った」旨の記載があるように、古くから日本人の食に密接にかかわってきました。
この麹菌こそが、2006年に国菌に指定されるほど、日本人の食生活に欠かせないもの、経済的にも重要な位置を占めるものとして、世界に誇る菌なのです(^_^)v
 日本では飛鳥・奈良・平安時代から、発酵食品として保存可能な漬物や納豆や塩辛、味噌、しょう油などの食品が作られてきました。食材の保存性がアップするだけでなく、微生物のパワーで、もとの野菜や食材に美味しさや栄養価をプラスしてくれるのも魅力の一つです☆

~そのパワーとは?~

 キュウリ塩麹漬け最近では、減塩・減糖対策として、塩糀・甘糀・しょう油糀などの発酵調味料を使う人も少なくありませんね。
糀には三大酵素が豊富に含まれており、1つで3役こなすパワーの持ち主0(^_^)0
☆アミラーゼ(でんぷん糖化酵素)~でんぷんを糖に分解する。
☆プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)~たんぱく質をアミノ酸に分解する。
☆リパーゼ(脂肪分解酵素)~中性脂肪を分解する。

糀 さらに体に嬉しい効果がいっぱい♪
★疲労回復~ ビタミンB群がたくさん含まれているので、疲労回復にとても効果が高いとされます。
★便秘解消~ 乳酸菌によりも整腸作用があり、便秘の解消が期待できます。
★美肌効果・老化予防~ 抗酸化作用が強く、お肌の老化の原因になる活性酸素の働きを抑えてくれるんです。腸内環境も整えてくれるので、吹き出物予防などにも期待大!
★リラックス効果~ 神経を鎮める効果を期待されるアミノ酸の一種GABA(ギャバ)が、ストレスを軽減しリラックス 効果も期待!

~麹?糀?ちがいは…~

糀・麹~中国から入ってきた漢字。“麦”編からも分かるように、麦から発酵食品が作られていた。現在では全般に使われている。
・糀~日本で作られた漢字。“米”編ということで、米でこうじを造っていたこと、花が咲いたように見えるカビから生まれた。
カビにも趣を見出す日本人の感性がステキですね(≧▽≦)

 世界中でも和食が健康に良いと見直され、昔からの調味料が注目されていることから、先人たちの理にかなった食生活が証明されています。“昔からあるけど新しい”調味料を使いつつ、大切な食を次世代へ繋いでいきたいものです。

野菜ソムリエ 木田靖代
2016/4/1