冬眠から目覚める美人参(びじんさん)☆
雪国ならでは♪春掘りニンジン
~ニンジン~
★名前:ニンジン(Carrot)
★分類:セリ科ニンジン属
★生まれ:アフガニスタンのヒンズークシ山麓、ヒマラヤ
気づけばグッと大きくなっているフキノトウに、季節の速度を感じています。すでに北海道にも上陸している桜前線は、観測史上2番目に早く、22日(木)に札幌でも開花が確認されました。ゴールデンウィーク前には満開になる予想なのだとか。年々早くなっているので見逃し注意ですね♪
春がスタートしたばかりの北海道ですが、雪の恩恵を受けた野菜たちを楽しんでいます。そのひとつが春掘りニンジン(^0^)/
~雪の下で凍らないの??~
「雪の下ニンジン」とも呼ばれる春掘りニンジン。雪国の北海道では、秋に種を蒔いて栽培したものを、土の中で眠らせたまま冬を越します。雪融け水をたっぷり吸うので、とてもみずみずしく通常のニンジンよりも甘みがアップするのです。
ニンジンの最適貯蔵条件は、温度0℃/湿度98~100%。まさに心地よい環境の雪の下にいるので、冬眠から目覚めたとき(?)には、とても美味しいニンジンになっているんですね(^0^)v
“雪の下でニンジンは育つの?”と思われますが、細胞が凍るのを防ぐために糖分を増して、自分自身で身を守りながら厳しい寒さの冬を過ごします。植物の生命力はすごいですね☆
~緑黄色野菜の中でもトップクラス!~
緑黄色野菜の中でもトップクラス!ニンジンにはβ-カロテンが豊富に含まれています。β-カロテンは、体内に入ると必要な分だけビタミンAに変わって効果を発揮するので、プロビタミンAとも言われます。
強い抗酸化作用を持っているので、免疫力アップにも強い味方で、皮膚や粘膜を健康に保ってくれたり、風邪予防や女性にうれしい美肌作りに期待されます。悪玉コレステロールを減らし動脈硬化などの疾病を予防する効果も期待されるなど、とても魅力的な野菜のひとつです。
ニンジンの皮は収穫後、土を洗い流して私たちの食卓へ届くころには、ほとんど無くなっています。一般的に「皮をむいて・・・」という部分には栄養がいっぱい。水洗いして丸ごと食べたいものです。生ごみも減るし栄養も摂れるのでメリット大!“どうしても気になる場合は、なるべく薄くむくようにすると良いです(*^^*)
また、軸の部分が細いものが、美味しいニンジンのサイン♪やわらかい果肉が多いニンジンに出会えます。固めの軸の木部とよばれる部分は煮物にしたり、やわらかい周りの果肉部分はサラダにしたりと、使い分けて調理するのもおススメ☆β-カロテンは油との相性が良いので、一緒に使うと効率よく栄養を摂ることができます。
畑に降り積もった深い雪が、春になって融けてくると、雪をかき分けて収穫し、ていねいにひとつひとつ手作業が行われます。春の訪れを感じながら、雪国特権の美味しい春掘りニンジンを美味しく食べて、体の中から美人参(びじんさん)を目指しましょう~☆
野菜ソムリエプロ 木田靖代
2021/4/23